2008年08月29日

「台湾シネマ・コレクション2008」 彭于晏(エディ・ポン)に聞く

初主演作「ウエスト・ゲートNo.6」 「大スクリーンに映った自分。とても感動した」

エディ・ポンに聞く1.jpg

 日本劇場未公開の台湾映画8作品を紹介する特集上映「台湾シネマ・コレクション2008」。人気若手俳優の彭于晏(エディ・ポン)が、主演映画「ウエスト・ゲートNo.6」「DNAがアイ・ラブ・ユー」の2作品を携え来日した。開幕日の8月23日には、日本の劇場では初めての舞台挨拶。「上映される8作品を通じて、さまざまな角度から台湾を見て、台湾の今を知ることができる。台湾へようこそ!」と呼びかけた。

エディ・ポンに聞く2.jpg

 伸び盛り、怖いものなき年ごろか。彭于晏(エディ・ポン)、26歳。台湾期待の若手俳優である。東京・六本木で8月23日に開幕した「台湾シネマ・コレクション2008」。初の主演映画「ウエスト・ゲートNo.6」、昨年公開の「DNAがアイ・ラブ・ユー」と出演2作品が上映されている。

 「ウエスト・ゲートNo.6」の舞台は、台北の繁華街・西門町。DJに憧れるファン・ダーイン(エディ・ポン)と天才ハッカーのヴェンス(阮經天=イーサン・ルァン)は、夜の街を遊び場に気楽な日々を過ごしている。ある日二人の友人の女子高生が、失恋のショックで失踪。行方を追う二人だが──。

エディ・ポンに聞く3.jpg

 いわゆる“今時の”台湾の若者を、生き生きと演じたエディ・ポンは台北生まれ。子役として多くのCMに出演後、カナダへ移住した。大学卒業を経て台湾へ戻り、02年にドラマ「あすなろ白書」で俳優デビュー。06年の「ウエスト・ゲートNo.6」で映画初主演。続く「DNAがアイ・ラブ・ユー」で、同じく人気若手俳優の何潤東(ピーター・ホー)と共演したほか、テレビドラマでも活躍。若い世代を中心に人気を集めている。今年は香港の徐克(ツイ・ハーク)監督最新作「女人不壊(原題)」に出演した。

エディ・ポンに聞く4.jpg

 インタビュー場所に現れたエディ・ポンは、役柄のイメージそのままに快活で明るい雰囲気。くるくる動く表情が印象的だ。俳優としてのステップアップとなった「ウエスト・ゲートNo.6」。「(林育賢=リン・ユゥシェン)監督との面接会場に、眼帯をして行ったんだ。目にできものができていたからだけど、監督には『生意気なやつ』に映ったみたい」。おかしそうに話し始めた。

 「ファン・ダーインは演じたことがないタイプで、とても魅力的に感じた。それまで出た作品はラブストーリー中心で、一途な愛を捧げるような役が多かった。監督と話し始めたら、とても盛り上がった。若い人が何を考えているか、何が流行しているか」

 しかし、主演二人の行動ははちゃめちゃだ。大きなタイヤの内側に入って坂を転げ落ちたり、お尻に花火をはさんで火をつけたり。体を張った撮影で、けがはなかったのか?

 「全部自分でやった。プロだからね。けがもしたよ。ガラスにぶつかるシーンでは背中を痛めたし。そうそう、(相棒の)イーサンがレンガを打ち付けるシーン。コントロールが下手だから、割れた破片が僕の手を直撃したんだ。血がバッと出てやり直し。ところが今度は破片が腰に当たって、また血が出たんだ! 思わずあいつをにらんじゃった。『もう連絡は取らない』と思ったけど……冗談だよ。本当は親友なんだ」

 今年撮影した「女人不壊(原題)」は、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズなどで知られる娯楽映画の大御所、ツイ・ハーク監督作品。撮影現場の様子は?
 
「監督の作品は大好きでよく見ていたし、尊敬していた。現場での監督は見た目はとてもシリアス。冗談一つ言わない。でも撮影を続けてコミュニケーションを重ねたら、実はとても面白い人と分かった。現場では何でも自分でやり、努力を怠らない人。だから今の成功があるんだなあ、と」

 「女人不壊」では、「藍色夏恋」「言えない秘密」の人気女優、グイ・ルンメイに思いを寄せる役だ。

 「彼女はボクシングするネット小説家。とても凶暴なんだ。僕は聡明な秘書の役。でも彼女を見た途端、緊張して話もできなくなる。好きで好きでしかたなくて、彼女の後をつける。すると彼女は雨の中で僕の胸元をつかみ、『尾行はやめなさい!』と怒鳴るんだ。ところが撮影では間違えて僕の顔をつかみ、また血が噴き出したんだ! 彼女がおとなしく見えるって? それは見せかけだよ!(笑)」

 「ウエスト・ゲートNo.6」では気ままな男の子、「DNAがアイ・ラブ・ユー」では年上女性に恋する青年。ドラマに映画にいわゆる“青春物”への出演が続くエディ・ポンも、二十代後半を迎えた。「三十代に向け、どんな俳優に成長したい?」と尋ねると、いきなり机に突っ伏して泣くまねをした。

 「(起き上がって日本語で)『寂しいですねえ!』。(笑って)俳優としては今、とても幸せで楽しいんだ。いろいろな場所へ行き、さまざまな人生を送ることができ、いい経験になっている。今後は自分自身に制限を設けず、チャンスを生かして仕事をしたい。そうすれば、今後もインタビューを受けることができるでしょ(笑)。つらいと思ったことは何度もあるけれど、俳優をやめようと思ったことはない。完成した『ウエスト・ゲートNo.6』を映画館で見た時、とても感動したんだ。全然自分と違う姿がそこにあって。達成感を味わえて、とてもうれしかった」

 自分を「明るい性格なので、ユーモラスな役が得意」と分析。今後演じてみたい役は「殺し屋、カンフーの達人……新しい役はすべてチャレンジになる」と指折り数える。「難しそう?」と聞くと、ニヤリと笑い、茶目っ気たっぷりに言った。

 「まったく難しくない。僕は何でも演じられるよ!」

(文・遠海安 写真・岩渕弘美)

×××××

「ウエスト・ゲートNo.6」(2007年、台湾)

監督:林育賢(リン・ユゥシェン)
出演:彭于晏(エディ・ポン)、阮經天(イーサン・ルァン)、劉荷娜(ユ・ハナ)

「DNAがアイ・ラブ・ユー」(2007年、台湾)

監督:李芸嬋(ロビン・リー)
出演:何潤東(ピーター・ホー)、關穎(テリー・クワン)、余男(ユー・ナン)、彭于晏(エディ・ポン)

 「台湾シネマ・コレクション」は9月26日までシネマート六本木で。11月に大阪・シネマート心斎橋ほかで全国順次開催。

写真:「ウエスト・ゲートNo.6」、「DNAがアイ・ラブ・ユー」に出演したエディ・ポン。台湾期待の若手俳優だ=東京・六本木で8月23日
posted by 映画の森 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 台湾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。