
フランスで開催中の第63回カンヌ国際映画祭で22日、韓国のホン・サンス監督「夏夏夏(ハハハ)」が、「ある視点」部門最高賞の作品賞を受賞した。ホン監督はカンヌ出品6作目で初受賞となった。
「夏夏夏(ハハハ)」は、韓国南部の港町・統営(トンヨン)が舞台。先輩、後輩同士の映画監督(キム・サンギュン)と映画評論家(ユ・ジュンサン)が、それぞれの統営旅行の思い出を、酒を飲みつつ語り合う。ある夏、同じ時間、同じ場所、同じ人たちに、二人が別々に交錯した記憶を描く。

ホン・サンス監督は1961年、ソウル生まれ。中央大映画学科卒業後、米国留学。カリフォルニア芸術工科大で美術学士号、シカゴ芸術学院で美術修士号取得した。韓国帰国後の96年、「豚が井戸に落ちた日」で監督デビュー。なにげない日常を独特の視点で切り取る作風は、欧州を中心に高い評価を受ける。ほか長編作品に「気まぐれな唇」(02)、「女は男の未来だ」(04)、「浜辺の女」(06)、「アバンチュールはパリで(原題:夜と昼)」(08)などがある。
(文・遠海安)
カンヌ国際映画祭「夏夏夏(ハハハ)」作品紹介
http://www.festival-cannes.fr/en/archives/ficheFilm/id/11020018.html
「夏夏夏(ハハハ)」 韓国版予告編
http://movie.daum.net/moviedetailVideoView.do?movieId=52313&videoId=27435
「映画の森」インタビュー ホン・サンス監督に聞く 人生の機微と世界(2008年)
http://eiganomori.net/article/143382273.html
写真:「夏夏夏(ハハハ)」作品写真とホン・サンス監督=カンヌ国際映画祭公式サイトより