1986年に公開され大ヒットした香港映画「男たちの挽歌」。オリジナルの呉宇森(ジョン・ウー)監督が製作総指揮し、韓国の若手俳優により24年ぶりにリメイクされた。監督は「力道山」「私たちの幸せな時間」のソン・ヘソン。韓国・釜山を舞台に、強い絆で結ばれた男たちの友情、兄弟愛を描いている。
北朝鮮から逃れて来たヒョク(チュ・ジンモ)とヨンチョン(ソン・スンホン)は、釜山を拠点とする武器密輸組織の一員となっていた。周りから一目置かれる二人に、組織のボスの甥・テミン(チョ・ハンソン)は嫉妬心を抱く。ヒョクには脱北の際、生き別れになった弟・チョル(キム・ガンウ)がいた。ある日「収容所でチョルが見つかった」と連絡が入る。再会した兄弟だったが、母を亡くして必死に脱北したチョルは、家族を裏切った兄に深い憎しみを抱いていた。
弟のためにも組織を離れる決意をしたヒョクは、最後の仕事で訪れたタイでテミンの裏切りにあう。取引は失敗し、地元警察に拘束される。ヒョクの敵を討つのため単身タイへ乗り込んだヨンチョンは、足に重傷を負う。それから3年。テミンは組織でのし上がり、ヨンチョンは不自由な足をひきずり落ちぶれていた。タイでの刑を終え韓国へ戻ったヒョクは、変わり果てたヨンチョンと再会する。
ヨンチョンはヒョクに、テミンへの復讐を持ちかける。一方、刑事になったチョルは「自分で兄を捕える」と心に決めるが、チームからはずされ、単独で捜査に乗り出す。弟との絆を取り戻し、平穏な暮らしを望むヒョク。ささやかな願いも打ち砕かれる。容赦のないテミンは、ヨンチョルやチョルの命を奪おうとしていた。
野心、誇り、失った絆を取り戻すため、それぞれの思いを胸に運命が動き出す。クライマックスの銃撃戦。激しく銃弾が飛び交う中、固い絆で結ばれた男たちの友情、兄弟愛が描かれる。ソン・ヘソン監督が新たに息を吹き込んだ韓国版「男たちの挽歌」。主人公を脱北者に置き換え、オリジナルの素材を生かしながら、人間が心の奥底に抱える憎しみ、痛みといった感情を描く。
ヒョクを演じたチュ・ジンモは「カンナさん大成功です!」(06)、「霜花店 運命、その愛」(08)などと違った役どころ。懐の深く弟に無償の愛を注ぎ、義理と情を重んじる男を好演している。ヨンチョンには「ゴースト もう一度抱きしめたい」(10)のソン・スンホン。友情のため命を投げ出す熱い男を演じる。チョルには「シルミド SILMIDO」(03)、「食客」(07)など演技力に定評のあるキム・ガンウ。心に傷を抱え、反発しつつ兄を思う複雑さを繊細に表現した。3人を追い詰める冷酷なテミンには「オオカミの誘惑」(04)のチョ・ハンソン。手段を選ばぬ悪役で新境地を見せている。
(文・岩渕弘美)
「男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW」(2010年、韓国)
監督:ソン・ヘソン
出演:チュ・ジンモ、ソン・スンホン、キム・ガンウ、チョ・ハンソン
2月19日、全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。
http://banka2011.com/
作品写真:(c)Formula Entertainment All Rights Reserved.



