2011年07月29日

「トランスフォーマー ダークサイド・ムーン」 シリーズ最終章、迫力の3D映像で

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 1969年7月20日、アポロ11号は月面着陸に成功した。歴史的偉業の陰には、NASAと米政府がひた隠しにした事実があった。月の裏に地球襲撃の足がかりとなる物体が不時着していたのだ。そして現代のシカゴ。オフィス機器に姿を変えた金属生命体(トランスフォーマー)が再び人類に牙をむく。マイケル・ベイ監督、スティーブン・スピルバーグ製作総指揮の「トランスフォーマー」シリーズは、日本の玩具として生まれ、米国でアニメ化されて人気に火がついた。2007年に実写版1作目が製作され、09年に続編「リベンジ」、最終章の3作目で初の3D作品「ダークサイド・ムーン」だ。

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 人類が月面着陸する数年前、トランスフォーマーが地球を襲う物体を月に不時着させていた。NASAと米国政府は事実を知りながら隠ぺいする。当時の実写フィルムと新撮映像を交え、フェイク・ドキュメンタリー風に幕を開ける。一気に物語は現代へ。前2作で2回も地球を救った青年サム(シャイア・ラブーフ)が、オバマ大統領から直々勲章を授与。新しい彼女カーリー(ロージー・ハンティントン=ホワイトリー)と出会うまでがコメディー・タッチで描かれる。しかし、前2作のヒロイン、ミーガン・フォックスが抜けた穴は大きい。彼女と製作サイドのトラブルから起きた降板劇を意識してか、作り手は仕切り直しとばかりに、サムとカーリーとの出会いを言い訳がましく描く。

 マイケル・ベイ監督の特徴は、黒つぶれ気味にギラついたハイコントラスト映像に、ハイテンションなアメリカン・コメディーと、先進のビジュアル・ワークを駆使したヘビー級アクションが同居する点だ。今回でもベイ監督らしいアメリカン・コメディーを前半に用意。社会人となったサムが、上司役のジョン・マルコヴィッチや「ハングオーバー」シリーズのケン・チョンとやり取りするが、どうも空回り気味な喜劇演出が気になる。ドラマパートでは3作連続出演のジョン・タトゥーロ、初登場のフランシス・マクドーマンド、パトリック・デンプシーらが脇を固めて物語を盛り上げる。

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 ベイ監督最大の見せ場は、怒涛のアクションシーンだ。車や軍隊、ロケットやロボットと、監督は好きな要素を最大限生かし、乗りに乗っている。シリーズの目玉である「金属生命体が、高精細なワンカットで、高速トランスフォームする」描写はさらに進化。人間を絡めたトランスフォームまで登場する。ワシントンでの車とロボットのカーチェイスは、車好きで知られるベイ監督の本領発揮。「ここぞ!」というシーンでのスローモーションの使い方に、彼ならではのけれん味を感じる。そしてクライマックス。シカゴを舞台に30分近く続く金属生命体と人類の戦いは、アクション映画の歴史を塗り替えるクオリティーだ。今回の敵は人間型ロボットだけではない。巨大飛行物体や戦闘機型、ヘビ型掘削機のようなメカが次々と登場し、地球侵略のため徹底的に人類に攻撃する。

 金属生命体同士のバトルと並行し、人間も地上と空中から戦いを挑む。日本の怪獣映画では、怪獣同士のバトルを人間は安全な場所から見守ったり、乗り物に乗って参戦する程度だ。しかし本作は、生身の人間が最前線に飛び込み、ロボットと共に敵と戦うので、思わずエキサイトしてしまう。地上攻撃を援護するため、空挺部隊がウイングスーツで墜落するヘリを避け、狭いビルの合間を飛び交う描写。高層ビルを舞台にした敵の攻撃で、建物が崩壊する中を主人公たちが繰り広げる脱出劇。新次元のアクションシーンは素晴らしい。シリーズ当初はコメディー的だった味方ロボットたちの性格も、騎士や侍のような高い志を持った戦士となり、最終章にふさわしい活躍を見せる。

 最近のハリウッドでは雨後のタケノコのごとく、3D作品が量産されている。2D撮影したものを変換した“擬似3D”作品もあり、不満を感じていた。しかし、本作は記念碑的作品となった「アバター」同様、3Dカメラとスタッフによりハイクオリティーに仕上がった。ぜひ映画館の大画面で、3D映像の迫力を満喫してほしい。

(文・藤枝正稔)

「トランスフォーマー ダークサイド・ムーン」(2011年、米国)

監督:マイケル・ベイ
出演:シャイア・ラブーフ、ジョシュ・デュアメル、ジョン・タトゥーロ、タイリース・ギブソン、ロージー・ハンティントン=ホワイトリー、パトリック・デンプシー、ケヴィン・ダン、ジュリー・ホワイト、ジョン・マルコビッチ、フランシス・マクドーマンド

7月29日(金)より、TOHOシネマズ日劇ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://www.tf3-movie.jp/

作品写真:(C) 2011 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
posted by 映画の森 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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