2012年08月13日

「アベンジャーズ」 ヒーロー7人集結 戦うアメコミ“ドリーム・チーム”

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 米の漫画出版社、マーベル・コミックは「X─メン」、「スパイダーマン」シリーズ、「アイアンマン」(08)など自社ヒーロー作品を次々と映画化してきた。「インクレディブル・ハルク」(08)、「アイアンマン2」(10)、「マイティ・ソー」、「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」(ともに11)を製作。これらの大半に毎回登場するのが、黒ずくめの眼帯男ニック・フューリーだ。サミュエル・L・ジャクソンがニックを演じ、各作品の中でヒーローたちと接触。意味ありげに話すシーンが過去にあったが、ニックが着々と集めた最強チームが「アベンジャーズ」。ヒーローたちは力を合わせて巨大な悪に立ち向かう。これまでの作品が壮大な伏線に感じるほどのボリュームと充実度だ。

 「アベンジャーズ」に登場するヒーローは「アイアンマン」、「ソー」、「キャプテン・アメリカ」、マーベル・コミック版「ジギルとハイド」といえる緑の超人「ハルク」。「アイアンマン2」にも登場した魔性の女スパイ「ブラック・ウィドウ」、初登場の弓の名人「ホークアイ」。チームを集めたニックを含むヒーロー7人が、地球侵略を画策するソーの義弟、ロキ率いる戦闘部隊と壮絶な戦いを繰り広げる。

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 国際平和維持組織のシールドでは、世界を破壊する力を持った四次元キューブが極秘に研究されていた。突然制御不能となったキューブは、別世界とつながるワームホールへの扉を作り出し、そこから神々の国アスカルドを追放され、地球支配を目論む邪悪な神ロキが出現。博士やエージェント、クリント・バートン(ジェレミー・レナー)を操り、キューブ強奪に成功する。地球侵略のカウントダウンが開始された時、ニックは最強の力を持つ7人によるチーム「アベンジャーズ」の結成を決断する。

 7人が集結して強力な敵に立ち向かう物語の根底には、黒澤明監督「七人の侍」や、西部劇でのリメイク作「荒野の七人」などがある。王道娯楽作品の要素をうまく吸収しながら、最新のデジタル技術でとてつもないスケールのドラマにした。それぞれのヒーローに見せ場を用意して登場させ、これまで裏方に徹してきたニックが導き、敵との追跡劇が披露される。「アイアンマン2」でスカーレット・ヨハンソンが柔軟性のあるアクションを披露したブラック・ウィドウ。今回は手足を椅子にしばられた状態から、敵との格闘へ発展する進化したアクションを見せる。

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 アベンジャーズは、シールドからキューブを強奪したロキの身柄を確保する。シールド本部がある航空母艦ヘリキャリアの監獄にロキを一度は収監するが、奪還しようとするクリント・バートン率いる戦闘部隊が襲撃。ロキは逃亡し、爆撃のショックでブルース・バナー(マーク・ラファロ)はハルクに変身。理性を失ってブラック・ウィドウを襲い、ソーと格闘の末、ヘリキャリアを内部から破壊してしまう。ロキの支配下に置かれたバートン、バナー、ソーは行方不明になり、アベンジャーズの存続さえ危うくなる。

 ロキはパワーアップしたキューブを使い、ワームホールをマンハッタン上空に作り出し、無数の戦闘部隊を地球へ送り込む。それを阻止するアベンジャーズとの戦いで、ニューヨークは戦場と化す。地上ではキャプテン・アメリカ、ブラック・ウィドウ、ホークアイが戦闘部隊と戦い、空ではアイアンマンが空中戦。ソーとハルクは力技で敵をねじ伏せる。ハイテンションな市街戦は一瞬たりとも目を離せない。

 7人ものヒーローを登場させ、各キャラクターを重視した見せ場を作り、群像劇としての交通整理もうまい。ジョス・ウェドン監督の演出力は特筆すべきものがある。アイアンマン、ソー、キャプテン・アメリカの対決、ハルクとソーの戦いなど、アメコミ(アメリカン・コミック)ファン驚愕のドリームマッチを実現した。

 俳優陣では「アイアンマン」を演じたロバート・ダウニーJr.が頭ひとつ抜き出た貫禄。意外に良かったのが「ハルク」を演じたマーク・ラファロだ。最近ではエリック・バナ、エドワード・ノートンが同役を演じたが、若すぎる主人公にしっくりこなかった。ラファロは年相応に疲れた容姿が、逃亡中の科学者の風貌にマッチした。ロキを演じたトム・ヒドルスキンの悪役ぶりも見事。豪華絢爛、夢のプロジェクトを見てしまうと、他のヒーロー物が物足りないほどエキサイティング。マーベル・コミック映画の集大成である。

(文・藤枝正稔)

「アベンジャーズ」(2012年、米国)

監督:ジョス・ウェドン
出演:ロバート・ダウニー・Jr.、クリス・エバンス、マーク・ラファロ、クリス・ヘムズワース、スカーレット・ヨハンソン

8月14日(火)、3D/2D同時公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://www.marvel-japan.com/movies/avengers/

作品写真:TM & (C) 2012 Marvel & Subs.
posted by 映画の森 at 00:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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