2013年03月13日

「クラウド アトラス」 ウォシャウスキー色全開 時と場所超え、壮大な叙事詩

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 大ヒットシリーズ「マトリックス」のウォシャウスキー姉弟最新作「クラウド アトラス」。デビッド・ミッチェルの同名小説を、「パフューム ある人殺しの物語」(2006)のトム・ティクバと共同監督した壮大な叙事詩だ。

 時代設定は19〜24世紀。舞台は南太平洋、スコットランド、サンフランシスコ、ロンドン、ソウル、ハワイ。時間も場所も異なるエピソード6つが、アトランダムかつ同時並行で出現する。ドラマ、SF、コメディー、サスペンスなどさまざまなジャンルがシャッフルしながら、人間の行動や思想が奇妙に絡み合い、影響を与え合う様子を描く。

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 その中心にいるのがトム・ハンクス演じる主人公の男。男は時代とともに悪人から善人、悪人から善人へと変化する。ハル・ベリーら他の登場人物も同様だ。俳優たちは特殊メークで性別、人種、国籍を超え、各エピソードで別人となって登場する。

 中でもウォシャウスキー姉弟が個性を発揮した近未来SF「ネオ・ソウル」のパートが見事だ。「空気人形」(2009)など日本映画でも活躍する韓国の女優ペ・ドゥナの好演と、監督の持ち味であるサイバーパンク世界で展開するアクションは必見。このエピソードだけで単独作品として通用するクオリティーで、姉弟の才能を再認識した。

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 あえて複雑な構成をとりながら、俳優それぞれが演じた役の種明かしをエンドロールで流す。リピート再生されることを意識したスタイルで、監督からビデオ世代への挑戦状にも感じられる。

(文・藤枝正稔)

「クラウド アトラス」(2012年、米国)

監督・脚本:ラナ・ウォシャウスキー、アンディ・ウォシャウスキー、トム・ティクバ

出演:トム・ハンクス、ハル・ベリー、ジム・ブロードベント、ヒューゴ・ウィービング、ジム・スタージェス、ペ・ドゥナ、ベン・ウィショー、ジェイムズ・ダーシー、ジョウ・シュン、キース・デヴィッド、スーザン・サランドン、ヒュー・グラント

2013年3月15日、新宿ピカデリー・丸の内ピカデリーほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://www.cloudatlas-movie.jp

作品写真:(C)2012 Warner Bros. Entertainment. All rights reserved.
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posted by 映画の森 at 11:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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