
ジャッキー・チェンが“最後の本格アクション”と銘打つ大作「ライジング・ドラゴン」。世界に散逸した中国の秘宝「十二生肖」を求め、ジャッキー率いる冒険家チームが各地を駆け巡る。
「十二生肖」とは、十二支の動物をかたどったブロンズ像。19世紀の清朝時代、英仏軍に略奪され行方不明になっていた。ジャッキー扮するトレジャーハンターのJCは大富豪の依頼を受け、失われたブロンズ像を探し始める。フランスの古城で手がかりをつかみ、舞台は南太平洋の孤島、火の粉を吹く活火山へ。同じく秘宝を狙う謎の組織の妨害を受けつつ、ジャッキーと仲間たちの宝探しの旅は進む──。

“最後の本格アクション”だけあって、舞台・スケールとも壮大だ。アクションも奇想天外。ジャッキーと仲間たちはさまざまな道具を使い、地上、空中、水中を縦横無尽に動き回る。人間の体全体で地面を滑るローラーブレード・スーツ。空中の自在に飛び回る小型パラグライダー。最後はスカイダイビングで活火山の火口へ空から突入する。
見どころはなんといっても、ジャッキーの体を張ったアクションだ。1970年代から主役を張って40数年。超人的な身体能力、命知らずのスタントが身上のジャッキーも御年59歳。絶え間なく高まる観客の欲求、逆に衰えゆく体力の間で揺れながら、限界まで力を尽くした演技に頭が下がる。

荒唐無稽なストーリーもご愛嬌。右腕役の韓国俳優クォン・サンウ、ヒロインのジャン・ランシン、ヤオ・シントンら女優陣も“ジャッキー・ワールド”への参加に生き生き。エピソードもてんこ盛りのサービス精神で、観客を心ゆくまで楽しませる。細かいことは言わず、黙ってジャッキー運転のジェットコースターに乗ってみよう。
(文・遠海安)
「ライジング・ドラゴン」(2012年、香港・中国)
監督:ジャッキー・チェン
出演:クォン・サンウ、ジャン・ランシン、ヤオ・シントン、リアオ・ファン
2013年4月13日、全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。
http://www.rd12.jp/pc/
作品写真:(c)2012 Jackie and JJ Productions Limited, Huayi Brothers Media Corporation and Emperor Film Production Co Limited All rights reserved
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