2013年10月30日

「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 魔の海」 神話から人間世界へ ファンタジー冒険活劇

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 海神ポセイドンと人間の間に生まれた“ハーフゴッド(半神)”のパーシー・ジャクソン(ローガン・ラーマン)。はるか昔、神々の父ゼウス3兄弟に封印されたはずの邪神クロノスが、復讐のために復活をもくろんでいた。世界の崩壊を止めるため、パーシーは魔の海に隠された黄金の毛皮を求め、仲間とともに人間世界へ旅立つ──。

 2001年、「ハリー・ポッターと賢者の石」と「ロード・オブ・ザ・リング」が、ハリウッドにファンタジー映画ブームを巻き起こした。ギリシャ神話をモチーフにした前作「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」(10)もその流れをくんだ。「ハリー・ポッター」1、2作のクリス・コロンバス監督を招いてスマッシュヒット。続編の「魔の海」はコロンバスが製作に回り、ドイツ出身の新鋭トール・フロイデンタールがメガホンをとっている。

 西洋人になじみのあるギリシャ神話がモチーフで、日本人は登場人物や背景がやや分かりづらい。今回の「魔の海」では神話は背景説明にとどめられ、メーンに主人公の冒険活劇がすえられた。「ハリー・ポッター」に似た構造だ。ハーフゴッドの世界を守るため、黄金の毛皮を求める旅。パーシーには親友アナベス(アレクサンドラ・ダダリオ)とグローバー(ブランドン・T・ジャクソン)、異母兄弟で一つ目サイクロプスのタイソン(ダグラス・スミス)が同行する。

パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 魔の海2.jpg

 神話の世界を飛び出した一行は、高速移動タクシーに乗り込み、人間世界に紛れ込む。そこでは神話世界の人々が、巧みにカモフラージュして社会に溶け込んでいた。街のカフェや宅配会社は一見普通だが、パーシーたちが来ると“ギリシャ神話バージョン”に変身。変幻自在の仕組みだ。秘密兵器を手に入れた一行は海馬にまたがり、魔の大海原へ乗り出す。

 物語は新旧さまざまなファンタジー映画を引用しながら突き進む。船を丸ごと飲み込む巨大生物は「ピノキオ」を思い出させ、一つ目巨人や大小のクリーチャーは、ストップモーションアニメの巨匠、レイ・ハリーハウゼンの世界を彷彿とさせる。クロノス復活のシーンは「レイダース 失われたアーク」(81)の聖櫃を開ける儀式のようだ。

 主人公3人組が大活躍する「ハリー・ポッター」をかなり意識した仕上がり。前作と今後予想される続編をつなぐ作品とも思われ、「これから」というところで幕が引かれてしまう。とはいえ視覚的にも十分楽しめるファンタジー。家族みんなで安心して見られる作品だ。

(文・藤枝正稔)

「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 魔の海」(2013年、米国)

監督:トール・フロイデンタール
出演:ローガン・ラーマン、ネイサン・フィリオン、ジェイク・アベル、ミッシー・パイル、アレクサンドラ・ダダリオ

2013年11月1日、TOHO シネマズ スカラ座ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://www.foxmovies.jp/percy/

作品写真:(c)2013 Twentieth Century Fox.

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posted by 映画の森 at 08:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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