2015年02月13日

「マッハ!無限大」トニー・ジャー、生身アクション炸裂 サービス精神たっぷりに

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 タイの村で象のコーンと暮らす格闘技ムエタイ兵士の末裔カーム(トニー・ジャー)。ある日、突如現れた動物密輸組織のボス、スチャートにコーンがさらわれる。コーンを取り戻そうとするが、スチャートはすでに何者かに殺されていた。警察やスチャートの姪ピンピン(ジージャー・ヤーニン)は、現場に居合わせたカームを犯人と断定。追跡を開始する──。

 タイ製作アクション映画「マッハ!」(03)。主演のトニー・ジャーがCG(コンピューター・グラフィックス)、ワイヤー、早回し、スタントを使わず、肉体から繰り出すムエタイを前面に押し出した作品は、多くの映画ファンの度肝を抜いた。続いて製作された「トム・ヤム・クン」(05)は主演のトニー・ジャー、プラッチャヤー・ピンゲーオ監督、アクション監督のパンナー・リットゲライが再集結。世界公開された。

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 今回の「マッハ!無限大」は、原題「トム・ヤム・クン2」が示す通り、「トム・ヤム・クン」の正式な続編。「マッハ!」の3人が再び顔をそろえた作品だが、ジャー主演作として知名度の高い「マッハ!」シリーズのように公開され、混乱を招いている。

 それはさておき、物語は幕開けから時間をさかのぼる形で展開する。カームが人質を取り、警察に追い詰められ、ビルの屋上から転落。謎のオープニングだが、物語自体はシンプルだ。カームは弟のようにかわいがるコーンが動物密輸組織にさらわれ、さまざまな事件に巻き込まれながら、次々現れる敵や刺客と対決する。徹頭徹尾アクション満載だ。ストーリーよりむしろ、ジャー本人がノースタントで演じる超絶アクションを楽しむべきだろう。

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 ジャーのムエタイや関節技のほか、「チョコレート・ファイター」(08)のアクション少女、ジージャー・ヤーニンとの一騎打ちもある。アパートの屋上から地上へ展開する派手なバイクアクション。バイク軍団300人とジャーのチェイスはカーアクションに発展。ジャーは車の屋根にしがみつき、橋から転落して宙吊りになる。これでもまだまだ序の口だ。格闘家同士の地下バトル、電流デスマッチ、フランス発祥のスポーツ“パルクール”も取り入れるなど、ジャーの生身の動きに作りこまれたアクションが融合する。

 ジャーの「ノースタント」は健在だが、CG合成やワイヤーも多用したのは時代の要求か。エンドロールではジャッキー・チェンさながら、NGシーンや撮影の裏まで披露。あっけらかんとしたサービス精神で、ジャーの魅力がたっぷり詰まったタイ製アクションだ。

(文・藤枝正稔)

「マッハ!無限大」(2013年、タイ)

監督:プラッチャヤー・ピンゲーオ
出演:トニー・ジャー、ジージャー・ヤーニン、RZA、ペットターイ・ウォンカムラオ、マレセ・クランプ

2015年2月14日(土)、新宿武蔵野館ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://mach-infinite.com/

作品写真:(C)2013 SAHAMONGKOLFILM INTERNATIONAL CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

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posted by 映画の森 at 08:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | タイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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