2015年06月25日

「悪党に粛清を」デンマーク発本格西部劇 ガンマンの怒りと悲しみ ミケルセン、哀愁満たせ

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 1870年代、米国西部。デンマークから移住し、生活の基盤を築いたジョンは、故国に残してきた妻子を呼び寄せる。ところが家に向かう馬車の中で、暴漢に遭遇。ジョンは馬車から突き落とされる。必死で後を追うが、時すでに遅し。妻は乱暴されて惨殺され、息子も命を奪われていた。激怒したジョンは、その場で容赦なく暴漢を射殺する。

 7年ぶりに家族と再会し、これから新生活を始めようという矢先に起きた惨劇。かたきは討ったが、悲しみは癒えない。そんなジョンにさらなる試練が降りかかる。実はジョンが殺した暴漢は、町を牛耳る用心棒デラルー大佐の弟だった。復讐心に駆られたデラルー大佐は、手下を率いてジョンに襲いかかる。ジョンは一人で立ち向かう──。

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 母国では軍人だったジョン。冒頭に披露されるように、銃の腕前は一級だ。戦術にも長けている。多勢に無勢の圧倒的に不利な状況から、彼がどのように戦いを挑んでいくかが見ものである。

 ジョンに扮するのは、デンマークを代表する俳優で、ハリウッドでも活躍するマッツ・ミケルセン。怒りと悲しみをぐっと胸に押し込め、無法の輩と対決する孤独なガンマンを、男の哀愁たっぷりに演じている。

 ジョンが殺した暴漢の妻で、先住民に舌を抜かれ話せなくなった女性マデリンを演じているのは、「007 カジノ・ロワイヤル」(06)でもミケルセンと共演したエヴァ・グリーン。クライマックスで決定的な役割を果たすキーパーソンとして、大きな存在感を放っている。

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 善良な主人公と悪辣な用心棒。正反対の二人が、ともに身内を殺された怒りに燃えて、死闘を繰り広げる――。西部劇ではおなじみの筋立てかもしれない。だが、無駄な説明を省き、感情描写とアクション演出に徹したスタイルは新鮮だ。西部劇というジャンルを斬新なセンスで蘇らせた。デンマーク発にも驚かされる。

(文・沢宮亘理)

「悪党に粛清を」(2014年、デンマーク・英国・南アフリカ)

監督:クリスチャン・レヴリング
出演:マッツ・ミケルセン、エヴァ・グリーン、ジェフリー・ディーン・モーガン

2015年6月27日(土)、新宿武蔵野館ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://akutou-shukusei.com/

作品写真:(c)2014 Zentropa Entertainments33 ApS, Denmark, Black Creek Films Limited, United Kingdom & Spier Productions (PTY), Limited, South Africa
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posted by 映画の森 at 07:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | デンマーク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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