2009年03月05日

「PLASTIC CITY」 黄秋生(アンソニー・ウォン)に聞く

「映画に脇役はいない。役を“こなせない”俳優がいるだけだ」

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 日本のオダギリジョー主演、中国の余力為(ユー・リクウァイ)監督の「PLASTIC CITY」(3月14日公開)に、黄秋生(アンソニー・ウォン)が出演した。全編ブラジルロケ撮影の合作映画で、香港きっての個性派俳優が感じたことは──。

 「背景説明が足りないって? すごく正直な意見だな」

 黄秋生(アンソニー・ウォン)は、ぎょろりと目を見開いた。足を組み直し、しばし言葉を探す。

 ブラジルの大都市。日系移民の若い男・キリン(オダギリジョー)は、同じアジア系のユダ(アンソニー・ウォン)に拾われ、息子のように育てられた。ユダはショッピングモールを縄張りに、闇商売で生計を立てている。ところが新たな勢力の台頭により、キリンとユダは激しい抗争に巻き込まれる──。


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2009年02月26日

「ブラッド・ブラザーズ 天堂口」 写真家ウィン・シャ語る

ウォン・カーウァイ監督と出会い 映画の世界へ

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 1930年代の中国・上海を舞台にした「ブラッド・ブラザーズ 天堂口」の公開を記念し、同作品のスチール写真撮影を担当した香港の写真家、ウィン・シャ(夏永康)が2月25日、東京・六本木でトークショーに参加した。王家衛(ウォン・カーウァイ)監督作品のスチール撮影でも知られるウィン・シャ。「ウォン監督のおかげで映画の仕事を始めることになり、この仕事が大好きになった」と話した。

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2009年01月09日

「天使の眼、野獣の街」 “天上の目”で追え 緊迫の追跡劇

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 「監視するとはどういうことか。“天上の目(アイ・イン・ザ・スカイ)”になることだ」

 香港の雑踏。まだあどけなさの残る若い女性が、中年男の後をつけている。男は路面電車に乗り、人ごみを抜け、喫茶店へ。後から入った女性は男に気づかれぬよう、少し離れた位置に席を取った。ところがやおら男は立ち上がり、女性の前へ動く。「なぜ俺の後をつける? 君は誰だ?」。問い詰められた女性は答えに窮してしまう。じっと見ていた男は、天を仰いで言った。「それじゃあ、だめだ」。男の名はウォン(任達華=サイモン・ヤム)。香港警察刑事情報課・監視班のベテラン捜査員だった。女性は新人捜査員のホー(徐子珊=ケイト・ツイ)。容疑者の後をつけ、逮捕に必要な証拠を集める。ホーは監視員として独り立ちすべく、ウォンの元で厳しい訓練を受けていた。

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2008年12月04日

「エグザイル 絆」 ジョニー・トーが描く 男の友情とロマン

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 中国返還が迫るマカオ。昼下がりの住宅街。4人の男が一人の男を訪ねてやって来た。目当ての男はウー(張家輝=ニック・チョン)。組織のボスであるフェイ(任達華=サイモン・ヤム)を狙撃して逃亡したが、今はマカオに戻り、妻子とともに堅気の生活を送っている。ブレイズ(黄秋生=アンソニー・ウォン)とファット(林雪=ラム・シュ)は、フェイの命令でウーを始末しに、タイ(呉鎮宇=フランシス・ン)とキャット(張耀揚=ロイ・チョン)は、逆にウーを守りにやって来たのだ。

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2008年11月25日

「文雀」 スリの一味と謎の美女 香港の喧騒にまぎれ

第9回東京フィルメックス 特別招待作品

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 香港の喧騒を、4人組のスリが行く。

 親分格のケイ(任達華=サイモン・ヤム)。白麻のスーツを着こなし、カメラが趣味の伊達男。鼻っ柱の強い弟分(林家棟=ラム・ガートン)。とぼけた眼鏡の中年男(羅永昌=ロー・ウィンチョン)。ジャージ姿の若造(張満源=ケネス・チャン)。どこからともなく茶餐廳(チャーチャンテン、大衆食堂)に集まり、朝食を済ませて街へ“仕事”に繰り出す。変わらぬ4人の日課である。

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