2016年04月08日

「さざなみ」崩壊していく結婚生活 シャーロット・ランプリング絶品演技

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 結婚45年の記念パーティーを週末に控えた老年カップル。当日までの6日間を妻の視点で追った作品だ。45年間、おそらく波風ひとつ立てず、仲睦まじく過ごしてきたのであろう、ジェフとケイト。そんな2人の前に突如として過去の“亡霊”が現われ、穏やかだった結婚生活にほころびが生じていく――。

 きっかけは、スイスから届いたジェフ宛ての手紙だった。ジェフは結婚前にカチャという恋人と付き合っていたが、彼女は1962年に雪山で遭難死していた。その遺体が見つかったので、確認に来てほしいというのだ。

 ジェフは「ぼくのカチャ」とつぶやき、うっとりした表情を見せる。まるで恋人との再会が楽しみでならないかのように。ケイトとしては、自分と出会う前の夫の恋愛など、気にとめないつもりだったろう。しかし、もうこの世に存在しないにもかかわらず、ジェフの心の中でカチャはまだ生きている。おまけにジェフはそれを隠そうともしないのだ。ケイトの心に激しい怒りと嫉妬が芽生える。

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 もしかしたら、ジェフはただの無邪気な男なのかもしれない。過去の恋愛である。しかも、相手は死者。浮気とは違う。過去の恋愛を懐かしむくらい、罪にならないはずだ。そんな思いでいたのではないか。だから、妻の過敏な反応に驚いているかもしれない。

 そこにケイトとの意識のズレがあったか。ケイトにとっては、死者だからこそ問題なのだ。夫の心の中に潜む女を、夫から引き離すことなどできない。死者には勝てない。カチャのことをずっと隠してきたことも許せないだろう。

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 そんな妻の機嫌をとろうとしたか、久々にケイトをベッドに誘うが、あっという間に果ててしまう。そして、その後のジェフの行動が、ケイトに決定的な一撃を与えることになる──。

 予定どおり開催される記念パーティー。ロングショットでとらえられた2人、とくにケイトの表情の変化を見逃さないでほしい。結婚とは、夫婦とは、恋愛とは。男と女の普遍的な問題を鋭く突きつける。シャーロット・ランプリングの演技が絶品である。

(文・沢宮亘理)

「さざなみ」(2015年、英国)

監督:アンドリュー・ヘイ
出演:シャーロット・ランプリング、トム・コートネイ

2016年4月9日(土)、シネスイッチ銀座ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://sazanami.ayapro.ne.jp/

作品写真:(C)The Bureau Film Company Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2014
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2015年05月24日

「追憶と、踊りながら」ホン・カウ監督に聞く 「他人の私生活をのぞくように、自然な映像を撮りたかった」

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 ロンドンの介護ホームで暮らす中国人女性ジュン。英語を話せない彼女にとって唯一の楽しみは、面会に訪れる息子のカイと過ごす時間だけだった。ところが、ある日、カイは交通事故で死んでしまう。悲しみにくれるジュンの前に、カイの同居人だったリチャードが現れる。ジュンはリチャードをカイの友人だと信じているが、実はカイの恋人。カイは同性愛者だったのだ。リチャードは真実を隠したまま、ジュンの世話をしようとするが――。

 愛する者を失った中国人女性と英国人青年との心の触れ合いを繊細に描いた「追憶と、踊りながら」。今回長編デビューしたカンボジア出身のホン・カウ監督は「他人の私生活をのぞき見るような、自然な映像を撮りたかった」と語った。

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英語が話せない母親、真実を言えない息子

カンボジアで生まれ、29年前にロンドンに移住してきたジュン。いまだ英語が話せず、英国社会にもとけ込めない。一方、息子のカイはすっかり英国社会に馴染んでいるが、自分がゲイだと母親に告白できずにいる――。基本的な物語設定には、ホン・カウ監督自身の母子関係が投影されている。

 「確かに個人的な経験を散りばめた作品だ。ジュン同様、母は英語ができないし、僕も自分がゲイであることをなかなか言い出せずにいた。でも、僕はカイと違ってカミングアウトしている。告白前はとても怖くてどきどきしたけれど、いざ真実を告げてみると、母は意外なほどすんなり受け入れてくれた。『あなたは犯罪者でもレイピスト(婦女暴行者)でもないのだから』と言われた時は『そんな連中と比べないでよ』と思ったけどね(笑)」

 英語の話せない母親が頼りにしていた一人息子を突然失ってしまう。息子の恋人リチャード、介護ホームでジュンと親しくなった英国人男性アラン、リチャードがジュンとアランの会話のために雇った中国人女性ヴァンらのエピソードが絡まり合って、ストーリーが展開していく。

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現実と追憶の間のずれ

 特に力を入れたのが、リチャードとカイのエピソード。わずか3シーンしかないが、いずれもリアルで自然な演技に引き込まれる。

 「たった3シーンで二人の親密さや愛情が伝えられるかどうか心配だった。しかし、あまりシーンを増やすと『(カイが死んでしまって)不在だからこそ、懐かしく思える』という重要なテーマがぼやけてしまう。限られたシーンでカイに焦がれるリチャードの気持ちを表現しなければならなかった」

 わざとらしい演出はしたくない。他人の私生活をのぞき見るような、自然な映像を撮りたい。そのためにはディテールを入念に描く必要があった。

 「リチャード役のベン・ウィショーは、僕の要求をとてもよく理解してくれた。感心したのは、カイとのベッドシーンでささやくような話し方をしていたことだ。ごく近くに相手がいる時、人は小さな声で話すもの。ベンは自らのセンスで演技に取り入れていた」

 ウィショーの好演もあって、撮影は順調に進んだが、編集段階で一つミスが出た。

 「映像と音がずれていた。しかし、そのずれがかえって面白いと思った。リチャードの思い出の中で二人は一緒にいるが、現実にカイはいない。そのずれがうまく表現できていると思い、そのまま使った」

 リチャードがカイの乳首の毛を抜くシーンは脚本どおり。

 「カイ役のアンドリュー・レオンの体毛が薄いので、2テイクしか撮れなかったよ(笑)」

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ノスタルジックな雰囲気

 李香蘭(山口淑子)のヒット曲「夜来香」や、中国人歌手イー・ミンの歌う「Sway」などの懐メロ。介護ホームの50〜60年代風インテリア。音楽面、美術面の演出も周到だ。それらが醸し出すノスタルジックな雰囲気は、ジュンの歩んできた人生への想像力をかきたてる。

 「介護ホームのインテリアは、テレビのドキュメンタリーを見ていて思いついた。番組の中で、米国の心理学者が『高齢者は、昔の幸福だった時代の記憶に囲まれて生活すると、精神的によい影響を受ける』と言っていて、使えると思った。亡き息子の思い出に生きている母親が、ノスタルジーに浸って暮らしている風景は、映画のテーマにもぴったり合う」

ベテランから新人まで

 60年代から70年代にかけて“武侠映画の女王”として名をはせた女優チェン・ペイペイ。テレビ、映画、舞台など幅広いジャンルで活躍する英国の名優ピーター・ボウルズ。映画初出演となるカイ役のアンドリュー・レオン、演技経験すらなかったナオミ・クリスティ。「パフューム ある人殺しの物語」(06)で頭角を現し、活躍が期待されるベン・ウィショー。素人同然の若手から超ベテランまで、世代もキャリアも異なる俳優たちが共演している。
 
 「高名な俳優から演技の経験がない俳優まで、でこぼこのアンサンブル。リハーサル期間は2週間。一つにたばねるのは大変だった」

 ベテラン俳優にあれこれ注文を付けるのは、やはり今回が長編デビューの監督にとって、かなりのプレッシャーだったに違いない。

 「一つよかったと思うのは、自分は中国語も話せるので、相手が(チェン・)ペイペイさんの時は、中国語を使えばよかったこと。また、ベン(・ウィショー)の場合は、メモを渡してメッセージを伝えたりと工夫した」

 苦労の末に完成した作品は見事なアンサンブルとなっている。

 「最終的にまとめることができたのは、俳優やスタッフの力が大きい。ベン・ウィショーもチェン・ペイペイも、僕の脚本をとても気に入ってくれて、何とかいい作品に仕上げようと頑張ってくれた。彼らの熱意はスタッフにも伝わった。いいい映画を作る目標に向かって、みんなの気持ちが一つになり、アンサンブルができた」

(文・写真 沢宮亘理)

「追憶と、踊りながら」(2014年、英国)

監督:ホン・カウ
出演:ベン・ウィショー、チェン・ペイペイ、アンドリュー・レオン、モーヴェン・クリスティ、ナオミ・クリスティ、ピーター・ボウルズ

2015年5月23日(土)、新宿武蔵野館、シネマ・ジャック&ベティほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://www.moviola.jp/tsuioku/

作品写真:(c) LILTING PRODUCTION LIMITED / DOMINIC BUCHANAN PRODUCTIONS / FILM LONDON 2014
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2015年04月29日

「イタリアは呼んでいる」親友の英国俳優コンビ、半島縦断へ 旅を楽しみ、人生を見つめる

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 イタリアの北から南まで、高級ホテルや一流レストランを巡る旅。英国ショービジネス界の人気者二人のもとに、文字通り“おいしい”仕事が舞い込む。以前英国の湖水地方を旅して書いたグルメ記事が好評だったので、その第2弾をというわけだ。陽光あふれるイタリアの景勝地、豪華なホテルと美味い料理、そしてアバンチュールも……。断る理由は何もない。一も二もなく引き受けた二人は、黒のミニクーパーを走らせ、イタリア半島縦断の旅へ出る――。

 主演はスティーブ・クーガンとロブ・ブライドン。ともに英国を代表する俳優でコメディアンである。彼らが本人役で出演する。ジョーク、毒舌、モノマネ。ドライブの間も食事中も、ひっきりなしにしゃべり続ける。ものまね合戦では、マイケル・ケイン、アル・パチーノ、マーロン・ブランドなど、名優たちの声音を競い合い、爆笑を誘う。プライベートでもこんな感じなのだろうか。ぴったり息の合った即興的な掛け合いが楽しい。

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 お楽しみ満載のイタリア旅行に浮き立つ男たち。中盤まではしゃいだ感じが画面にあふれる。料理が運ばれてくれば「グラッツィエ!」、美味に舌鼓を打っては「ラブリー!」。若い女性とのロマンスもあり、見ているこっちまでウキウキさせられる。

 だが、ただ能天気にイタリア観光を楽しむ男たちを描いただけの映画ではない。もともと仕事や私生活に悩みを抱えていた二人。気のおけない親友と愉快な時間を過ごす一方で、自分自身を見つめ直し、本来の自分を取り戻していく。人生を折り返した男たちの哀愁がそこはかとなく漂う。

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 その姿が見る者の心にしみるのは、彼らの演技が限りなく真実味をたたえているからだ。“フィクション”なのか“リアル”なのか。虚構と現実の境目があいまいなところは、マイケル・ウィンターボトム監督の真骨頂。実生活でも親友同士の俳優を起用したことで、その特徴がより強く出ているのかもしれない。

(文・沢宮亘理)

「イタリアは呼んでいる」(2014年、英国)

監督:マイケル・ウィンターボトム
出演:スティーヴ・クーガン、ロブ・ブライドン、ロージー・フェルナー、クレア・キーラン

2015年5月1日(金)、Bunkamuraル・シネマほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://www.crest-inter.co.jp/Italy/

作品写真:(c)Trip Films Ltd 2014
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2015年01月27日

「ジミー、野を駆ける伝説」主演バリー・ウォードに聞く 名もなき英雄、ケン・ローチ作品で熱演

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 英国映画界を代表する名匠、ケン・ローチ監督最新作「ジミー、野を駆ける伝説」が公開中だ。1930年代のアイルランドを舞台に、自由を求めた実在の活動家、ジミー・グラルトンの半生を描いた作品。主演のバリー・ウォードは「監督は想像よりはるかに素晴らしい人だった」と語った。

 アイルランド独立戦争と内戦を描いてカンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)を受賞した「麦の穂をゆらす風」(06)など、社会派作品で知られるローチ監督。最新作で取り上げたのは、歴史に埋もれた名もなき活動家だった。村に「ホール(集会所)」を開いて人々に自由の尊さを説き、教会に糾弾されて国を追われた男。ウォードによると「ジミーはアイルランドでもほとんど無名だった」という。

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 「知られているのは唯一『米国へ追放された』こと。地元のアイルランド西部(リートリム州)で親せき、子孫によって横顔が語り継がれてきた。だから(演じたジミー像は)ある意味想像の産物でもある。監督が描きたいのはどんな人物か。あの時代に活動家として生きるのはどんなことか。自分で考えながら作り上げていった」

 ジミー同様、ウォードもほぼ無名の俳優だった。初めてのローチ作品が初主演映画になったが、不安はなかったという。「私自身ローチ監督の作品を見て育ち、人生を通してファンだった。だから絶大な信頼があった」。監督は「手には野良仕事でできた『たこ』があってほしい」と求めた。ダブリン郊外の町育ちのウォードは、ジミーが生きた現場に出向き、農民の畑仕事を手伝った。撮影中の監督は決して高圧的ではなく、俳優を望む方向に「押しやり、雰囲気や役に乗せていく」ように感じたそうだ。

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 「ジミーは左翼の活動家だが、優しさと人間味を描くことも大事だった。ダンスと音楽で人生を祝い、楽しむ。人々が喜ぶのを見るのも好きだった。地元で直接彼を知る人たちから思い出を聞いた。追放された米国から手紙とお金を送り、みんなに『パーティーを開け』と伝えてきたそうだ。子供好きで温かい人だった」

 監督への揺るぎない信頼、丁寧なキャラクター作りが、誠実で温かいジミー像に結実した。ただ、印象的なダンスのシーンに触れると、突然手で顔を覆い、恥ずかしそうに机に突っ伏した。「本当にダンスが苦手。何カ月も、何度も練習しなければだめだった。たいして難しくないのに(笑)」

 自分にとって「英雄」だったローチ監督に導かれ、監督が求める「英雄」を演じた。完成した作品を見て、改めて感じたことをは──。

 「よく『自分のヒーローに会ってみたらがっかりした』という話を聞きますね。私は逆に監督を過小評価していた。想像をはるかに上回る素晴らしい人だった。出演して最も驚き、印象に残ったことです」

(文・写真 遠海安)

「ジミー、野を駆ける伝説」(2014年、英国)

監督:ケン・ローチ
出演:バリー・ウォード、シモーヌ・カービー、ジム・ノートン、フランシス・マギー、アシュリン・フランシオーシ

2015年1月17日(土)、新宿ピカデリー&ヒューマントラストシネマ有楽町ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://www.jimmy-densetsu.jp/

作品写真:(C)Sixteen Jimmy Limited, Why Not Productions, Wild Bunch, Element Pictures, France 2 Cinema,Channel Four Television Corporation, the British Film Institute and Bord Scannan na hEireann/the Irish Film Board 2014

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2014年09月19日

「ウィークエンドはパリで」 結婚30年、再び新婚旅行先へ 夫婦愛の真髄に迫る

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 些細なことで衝突し、口論の絶えない熟年夫婦。だが破局目前とか離婚秒読みとかいった、深刻な状況にあるわけではない。どうやらこの夫婦なりのコミュニケーションの形なのだろう。妻がつむじを曲げても、夫がハグしてキスすればたちまち仲直り。

 とりわけ夫の妻への熱愛ぶりは、見ていて気恥ずかしくなるほど。路上で妻にキスを求めて、ひじ鉄をくらい転倒。したたかひざを打つくだりは、滑稽というより、微笑ましい。結婚30周年を迎えた今もなお、妻は夫の恋女房なのである。

 そんなに愛されているのだから、妻に不満などないだろうと思う。ところが、長い結婚生活の間には“事件”もあったようで、抑えていた不満が少しずつ吹き出してくる。夫のほうも負けずに不平をぶつけ始める。きっかけとなったのは、「勤務先の大学を解雇された」という夫の告白だった――。

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 30年目の結婚記念日を祝うため、新婚旅行先のパリを再訪した英国人夫婦の姿を追った「ウィークエンドはパリで」。当たらず触らずの何となく平穏な人生を歩んできた夫婦が、初めて本音で向き合い、改めて夫婦の絆を確かめ合う、ハートウォーミングな人間ドラマだ。

 夫のニックは名門大学出身で、将来を嘱望される優秀な学生だったが、卒業後は順風満帆とはいかなかったらしく、無名大学の教授に甘んじていた。しかも、その大学さえもクビになる始末。そんなニックが、パリの街で偶然大学時代の友人モーガンに出会う。モーガンは優秀なニックに憧れていたが、現在は作家として成功し、華やかな生活を送っている。

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 モーガンに招かれて妻のメグとともに赴いた出版記念パーティーには、売れっ子アーティストや有名大学教授、一流紙の記者など、人生の勝ち組が集まっており、ニックの劣等感を刺激した。モーガンはニックを賞賛するが、ニックは内心じくじたるものを感じ、思いがけない行動に出る。そんなニックに対してメグは――。夫婦愛の真髄に迫る終盤の展開が圧巻だ。

 夫のニックに扮するのは「アイリス」(01)、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」(11)の名優ジム・ブロードベント。妻のメグには「トスカーナの休日」(03)のリンゼイ・ダンカン。まるで実際の夫婦のような息の合ったコンビネーションで、熟年夫婦をリアルに演じている。

 ボブ・ディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」やゴダールの「はなればなれに」など、夫婦の青春時代を彩った音楽や映画の引用の仕方も、取って付けたような感じがなく、自然でいい。「ノッティングヒルの恋人」(99)のロジャー・ミッシェル監督が生み出した、新たな愛の傑作だ。

(文・沢宮亘理)

「ウィークエンドはパリで」(2013年、英国)

監督:ロジャー・ミッシェル
出演:ジム・ブロードベント、リンゼイ・ダンカン、ジェフ・ゴールドブラム

2014年9月20日(土)、シネスイッチ銀座ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://paris-weekend.com/

作品写真:(c) 2013 Free Range Films Limited/ The British Film Institute / Curzon Film Rights 2 and Channel Four Television Corporation.
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